先輩「誰にも話せないけど、一人で抱えるの無理だ!私さん……絶対、誰にも言わないな?」 私「は、はい」
私は全く無関係で、ただ耳にしただけの修羅場です
登場人物
私:先輩と一緒にガクブルしただけ
先輩:私の上司。修羅場にちょっと巻き込まれた人
妻子:浮夫の妻
間子:私と先輩の同僚だった
浮夫:妻子の夫。イケメン
先輩に次ぐ古株の妻子が、出産の為に退職した後のこと。
ある日、終業後に先輩から呼び出され、何の説教されるのかと私戦々恐々。
でも先輩は困った顔して切り出してきた。
私「は、はあ。しゃべるなって言われた事をわざわざ人にしゃべりませんけど……」
先輩「こんな事誰にも話せないけど、一人で抱えるの無理だ!しかも、ここで信用できる人は
私さんしかいないんだ。……絶対、誰にも言わないな?」
私「(なんかやばい話キター!)は、はい」
この時点で嫌な予感がしたけど、このまま逃がしてくれそうになかった。
だから仕方なく先を促すと、先輩はぽつぽつ話し始めた。
なんか一日先輩の様子がおかしいなと思ってたら、原因はこれだった。
先輩は困惑しながらも当然理由を聞くと、妻子は以前から夫の浮夫の浮気を疑っていて、
その相手が間子だと分かったから直接連絡取りたいという。
それは大変!と先輩テンパった。普段の間子と不倫なんて単語はまったく結びつかないけど、
しっかりした妻子が憶測で物を言うとも思えない。
悩む先輩に、妻子は「浮夫を問い詰めたら認めた」と涙声で告げたとか。
ここまで聞いた私は、悪い冗談かと思った。
当たり前だけど、他人の私は妻子一家の幸せそうなとこしか目にしたことなかったからかも。
かわいい赤ちゃんだっこした妻子の幸せそうな顔、妻子似の赤ちゃんのきれいな目、親子三人で
挨拶に来た時の浮夫を、間子はどんな思いで見てたのか。
しかもその時既に、妻子は間子の事を女の勘で疑っていたらしい。
喪女の私には計り知れない世界の話に、ただガクブルした。
で、浮夫が白状した顛末は以下の通り。
周囲には一切バレないよう振舞ってた間子と対照的に、浮夫はすんごいお粗末だった。
妻子が黙って浮夫の携帯見たら、あっさり間子とのラリメールがでてきて、妻子の妊娠中に浮夫と
間子は何度もデートしてた事が判明。
その時点で最悪なんだけど、浮夫は妻子に問い詰められて、半泣きで「キスしかしてない」とか
何のフォローにもならんこと言ったらしい。
真実がどうであれ、誰が見ても焼け石に水っていうか焚き火にガソリンだろ。
もう私愕然。
間子は美人というよりかわいくて、気が利くし話してると和む。仕事ぶりもてきぱきしてて、私は
あんな女になりたいと密かに憧れてた。
後輩達も間子が数年彼氏いないと公言してるのを不思議がって、女から見てもモテ要素多いから、
却って敬遠されるのかなーとか言ってた。
浮夫の方は、イケメンな上に若いだけあっておしゃれだった。
でもこの件を知った今、後先考えず結婚した馬鹿な男としか思えない。というか、今でも間子はこの馬鹿に
けど、現実はこうだった。
浮夫:妻子の職場に立ち寄った時に間子に粉かけてアドレスゲット
間子:浮夫が妻子の夫だと知っててアド交換
妻子は浮夫と間子を呼び出して三者面談後、二人をビンタして全て水に流したという。
浮夫のことは問答無用でぶん殴ったらしい。
妻子はそれでけりをつけ、浮夫に三行半を叩きつけることはなかった。
ビンタの翌日、間子は本当にいつも通りの笑顔で仕事をこなし、先輩と私は内心ガクブルした。
その後先輩も私も部署異動になり、間子とはたまーに顔を合わせるくらいになったけど、
ただの同僚に過ぎない私にとって間子は、今でもやっぱりかわいい女性。
でも、間子のちょっとした優しさや気遣いに触れる度、この修羅場を思い出して嫌だった。
間子のやったことは紛れもなく不倫だけど、当時はどうしても「この人が!?」って思いが消えなかったし、
喪な私にも相手ができて、この件を思い出すと今でも複雑な気持ちになる。
妻子達のその後は不明だけど、子供の成長は順調らしい。
以上、先輩から聞かされた修羅場でした。
間子が憧れの人だから悪く思いたくないんだろうけど
傍から見ているぶんには間子って、したたかっつーか なんつーか…
自分だったらいくら憧れていようが尊敬していようが、
古株妻?の旦那と知っておきながら不倫した時点で軽蔑します
しかも、ビンタされた次の日に通常通り仕事なんざできません
芯は相当なもんだと思う
引用元: ・◇修羅場◇part76
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