【長編】俺のしょうもない思い出を話そうと思う。誰か聞いて3/7
楽しみにみてるから明日もがんばてー!
S子ちゃんが見てる世界は歪んでるってあったけど、いちの事はハッキリ見えてるの?
あと、S子ちゃんは自分の姿が見えないの?
レスに返答するわー。
>>152
ありがとう。
>>153
歪んでるのは時計とか時間の部分限定らしいけど、
ネタバレちゃうけど、この先で一緒にいて時間が見えたのかなーって所は結構あったよ
あと、見えている所の視界が気が付くとメチャクチャになってるみたい
>>53の『世界が灰色だったり、薄い青色だったり、ぼんやりとし過ぎて光の区別がつかない』って説明にしたけど
こう説明したまでの話を聞く限り、白黒テレビ状態だったんだと思う。一色の世界みたいな。
S子「目の前が凄い光に包まれてて、眼を開けられなかったり。
かと思えば、うっすらうす暗かったり。
ただ日頃は灰色だったり、薄い青色だったり、そう言う風に見えてて、昼と夜の区別がつかないの」
って言ってたと思う。もっと違う言い方だった気がするけど。
生活に支障は出てなさそうだったよ!
あと、S子は自分の姿は見えていたはず。
自分の身体の位置も、仕草とか見ている限り、顎触ったり手を話さったり、スカート隠したり。
たぶん分ってたのかな。
イチさんは、昔から霊感あったのか?
あとS子は誰に似ているの?
二次元でもいいから教えてくれ
にしてもイチ変態過ぎ、リアルでそこまで興奮してたら逮捕されるぞ
俺は本田翼で再生してるわ
イチ参考URLをおいておくよ
http://matome.naver.jp/m/odai/2133087022813737801
>>153
今一、回答間違えてたな……ww
俺の顔は、そんな状態の視界だけど見えていたと思うよ。
それと、人の顔の区別はつくみたいだった。
生きている奴と、生きていない奴も。例えば、公園の女とかね。
>>156
眼を閉じて、眼を開けたら、翌朝だった。お前スゲーな。
>>157
昔から霊感云々は、書いてある通りはっきりしないけどあったよ。
覚えてないだけで、親父やおふくろに聞くと結構教えてくれる。
今はバッチリあると思う。S子のおかげなのかな……w
>>158-159
今検索してみたけど、どちらも可愛いね。
俺のDT補正パワーもあるんだけど、>>159のURLの中で似てそうなのは、
堀北と大川を合わせたような感じかな……。
もう少し顔が子供っぽいけど、なんていうか……大人な顔つきもしてた、本当に美人な子だったよ。
あと、……とある奴にスレ発見されて見辛い言われたので改行大目、漢字少な目で書きます。
>>149の続き。
オレの頭の中で、親父の言葉が変にグルグルしていた。
心のどこかでも、たしかにS子に何をしたくて接触しているのか分かってなかった。
そんなボーっとしながら、夕食をすませ、二階へ上がった。
いつもの様にパソコンの前に座り、ネトゲをしようと思うが、どうも気分は乗らなかった。
オレ(S子に何をしてやりたいか……)
最初は流れで『成仏』なんていう漠然としたことをいっていたが、
いざ目の前にくると、こうも考えさせられるものなのか、と悩んだ。
ぐるぐるぐるぐる……そう30分ぐらい考えて。
その間、2ちゃんやネットでお祓いについて検索して。
S子の可愛らしい姿を想像していたら……ゲフンゲフン
賢者モードになった所で結論だした。
オレ「いやいや、成仏が一番正しいんだろ。正しくなければ、お祓いやお葬式なんかやらない」
オレ「成仏してもらうのが、一番だ」
集めた情報から導きだした、俺の考えは。
『自分が死んでいることに気がつけていない』のは、かわいそう。
それを強引にお祓いして昇天させるのも、如何な物だろうか。
かと言って、それを強引に話、除霊するのは、
テレビの心霊番組の除霊合戦みたいな泥沼化になる可能性があるそうだ。
やはりS子自身に気がつき、受け入れてもらうのが良いのであろう。
ただ、S子はどう思っているんだ……?
もう一度、明日聞くことにした。
スカイプの音がなった。
社長からの個人通話だった。
社長「結局、その子をどうするか決まった?」
オレ「成仏してもらえるように……頑張ろうかと……」
社長「オレ君は素人だよね?」
少しカチーンときたが、心配しての言葉だろう。
社長「……まあ、これから先大変かもしれないが、相手する以上はしっかりしなさいな」
オレ「その、解体工事で社長が憑かれた子供とはどうやって接しているのですか?」
オレはふと思い尋ねてみた。
あの話が本当なら、十数年は付き合っている仲だろう。
それに今の立場なら、祓えないと言った霊媒師と、別の霊媒師と縁は有る筈だ。
なぜ、祓ってもらえないのか。
社長「そうだねー……、ある意味、私への戒めもあるんだ」
若いころの失敗を糧にしている。
この経験を常に活かせるようにするために、こうしている。
なんと言う、ご立派なお人なんだ。
社長「ただ……、いつの間にか可愛く見えて来てしまってねw」
お い お い マ ジ か 、 社 長 。
たしかに怪奇現象もあるし、それが理由で失った友人もいる。(詳しくは知らない
でも別に悪い事ばかりではなくてね。
私が憑かれている時、肩をもんでくれたり、足を撫でてくれたり。
そうすると、気持ちも身体も楽になる。
元々が”座敷童”と言われる神様的霊だったのも理由かもしれない。
とは言え、精神的に責めてくる事もあるけどね……w」
座敷童……、
社長に憑いていたのはロリだったのだ。
社長はゲーム内でも有名なほどのロリコンだ。
使用しているキャラクターも、中々可愛らしい女の子だ。
社長「はっはっはww私も実はそう思っているw
こういうのが”影響されてる”って言うそうだ。
まあ神主は『霊のせいにするな』って言っていたがな……」
オレ「……俺も大丈夫だったりしますかね?」
俺はそう思えてきた、てか、成仏させなくても……などと言う、淡い妄想は直に砕かれた。
社長「それは違うよ。
私の場合は、ある意味『悪霊じゃない、座敷童だ!』って言う保証があった。
家を壊したとき、何となくそれを察していた。
悪い事をしてくるけど、悪い幽霊じゃないってね。
ただ、オレ君のS子がどう言う霊かは、私には分からない。
悪霊じゃないにしても、成仏できない可哀相な霊なんじゃないかな。
それに、霊って言うのはなるべく成仏できる方がいいんだ。
お盆や、特別な日に、家に帰ってくる。
その子は自分の家も分からないんだろ、それはかわいそうじゃないか?」
オレ「……。」
何も言えなかった。
ただ、社長は間違ったことを言っている訳じゃないと、感じた。
社長「……そうか。いい結果に終わることを願うよ」
そう話を終え、俺は眠りについた。
夢の中で、またしても怒男が出てきた。
怒男「……お前と言う奴は」
もう、なんて言うか……、
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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
こうなってた(ズレてたらごめん。
怒男「一体、君はなぜ気が付かない……」
オレ「?」
怒男が言うには、俺がS子と接触している時、
オレの体に起こる異変を多く祓っていると言う内容だった。
ただ「あまりにもオレが気が付いていない!」と思ったらしく、腕だけは異常状態にしていたのだと。
それに気が付いていたと、告げると、露骨に「(´Д`#)ハァ?」と顔をされた。
」
怒男「まったく……」
オレ「あの……怒男さんは、S子のことどう思いますか?」
怒男「…………単純に言うなら、あそこまで強いのに会うのは久しい。
ただ、強すぎるだけで、悪いものではなさそうだ」
オレ「おおっ」
怒男「今はな。この先、長く付き合うのだとしたら、私は君を守れる自信がない」
おい、守護霊。
と、思ったが、守護霊も見切りをつけることもあるのだろう。
いや、それともS子が強すぎるのだろうか?
怒男「それと、目が覚めたら、数珠を確認するといい。
君がどういう者と居るのか分かるだろう」
その後、怒男は終始ため息をついていた。
子の感じ的にS子は来ていないだろう。
オレは昨日夢の中で怒男に言われた事を思い出し、カバンを確認した。
オレ「……!」
今でも胸がバクッ!て音を立てたのを覚えている。
てか、アレが胸が飛び出しそうになるとか言う状態なのだろうか。
オレ「S子って……なんなんだよ……」
カバンの中を確認したオレは思わず声に出したと思う。
数 珠 は 粉 々 に な っ て い た 。
ゴムではない、糸で纏められた数珠だったが、その紐だけを残し、数珠は粉々だった。
カバンの中がすさまじくお香の香りが充満していた。
何処かにぶつけた記憶も、そうなる様な事をした覚えもない。
……S子の仕業なのだろう。
これは意図的な物かどうか……今日は、結構強く聞くしかなさそうだ。
急いで食べ終え、門を確認すると、やはりいた。
肩まで伸びた髪の毛、学生服を着た、黒ストッキングで、ナイスボディな女の子が。
キョロキョロと背伸びしながらこちらを覗き込んでいた。
そして俺の顔を見つけると「ニコッ」と笑い手を振ってきた。
何ちゅうかわいい子なんだぁああああああああああああああああ、と俺の心は暴走しかけた。
オレは直にしたくをし「出かけてくる」と祖父と祖母に言う。
祖父と祖母は「ああ……気を付けてね、警察の厄介になるなよ」と言った。
外に出て、一言目はS子の方だった。
S子「あれ、オレさん……今日はなんか近寄りやすい」
オレの第二の危機は、この日に訪れた。
家から遠いところにある植物園にである。
幼い頃から、なんでこういう所を作ったんだ?と何度も疑問に思いながら、数度訪れた事がある場所だ。
お祭りでしか見ない様な屋台や、当園で作ったキュウリ棒が自慢らしい(詳しくは今も知らない。)
避暑地には最適で土日は無料である。
その為か、DQNやホームレス、少しの親子ずれがいたが、それでも広すぎる園内。
人気が無い所など沢山あった。……主に日当たりだったが。
オレ「オレ、あ、いや!そんな事はないよ!(・∀・;)」
S子「この時期は暑いみたいだし……」
オレ「え……だだ、大丈夫だよ!デブだし痩せるしちょうどいいよ!(・∀・!)」
S子「……やっぱり私のせいですか?」
オレ「え?」
S子「昨日考えていたのですけど……やっぱり、私が居ると変なこと起きていますよね?」
オレ「……まぁ」
あんなに朝意気込んでいたくせに、S子の方からそれを察して聞かれてしまった。
S子の顔は真剣だった、あんなにかわいい子が、今はジッと見て来ている。
オレ「……S子が初めて、俺の家に来た時のことは話したよね?」
S子「はい」
オレ「ラップ音って言う怪奇現象と、黒い水たまりがーって」
S子「……うん(`;ω;´)」
少しS子が泣きそうな顔をしていたが真剣に聞いてきたので、俺は構わず続けた。
こう言うのがモテない理由だろうな。
S子が俺の肩に掴まると腕に異常が出ること、
親父の親父が使っていた数珠が砕け散っていたこと、
怒男から聞いた話(多分守護霊と説明して)。
S子「ごめんなさい……、ごめんなさい(´;ω;`)」
S子は只管謝りだした。
恐らく俺の胸が苦しかったのは、S子のチカラとは別の理由だろう。
オレ「S子さん……(・∀・;)」
S子「ごめんなさい……昨日も私のせいでお巡りさんに捕まっちゃうし……」
この時、風も吹いていないのに植物園の木々が激しく揺れていた。
どこかのDQNが「え?え!?なに!?マヤの大予言!?」とか騒いでいたと思う。
それぐらい揺れてた。なお、地面などは揺れていない。
S子「でも……でも……(;∀;)」
オレ「でもじゃない!本当に大丈夫だから!」
適当に励まそうと頑張る俺。
ただ、女心を読めないオレ。
S子「本当のことを言ってよッッッ!!!!!!」
木々『 ガサガサガサ!ガタガタガタ!ガッタン!』
ちょーーーーーーーーー、木が揺れた。
オレ( ゚д゚)ポカーン
そりゃ、蒼い葉がボトトッて落ちてくれるぐらい揺れた。
失礼ながら俺は死を覚悟した。
S子「……うう(´;ω;`)ごめん」
オレ「へ、平気だよ……ただ落ち着いて……お願い、俺も悪かったよ」
きっと負の感情を与えては駄目だ。きっとそうだ。
とにかく、この状態を何とかしないと、俺のみも、S子もいたたまれない!!
てか木がすっごい!なにこれすっごい!
S子もそんな悲しそうな顔しないで!こっちを向いて!うわあああああああああ!
頭に過るのは、ネトゲで俺らをまとめ上げる、あのカリスマスターの姿。
オレ「……オレの話を聞いてください」
そう……、 社長の真似 を始めたのだ。
S子は急に大人しくなった。そして俺の顔を泣き顔で真剣に見つめる。
オレ(社長、社長……アンタの切り出し文句、すげーっすよ――ッ!(;^ω^)ロリコン言ってごめんな!)
そんな風に社長の凄さを再確認しながら、S子に話した。
オレ「S子さんは、別に……そうしたくてしている訳じゃないでしょ?」
S子「うん……殆どそうだよ……」
オレ「ほんど……って言うと、意識して出来ることはあるの?」
そうだ、社長は聞く所は相手の心容赦なく聞いてくる。
こういう感じが良い。
S子「そう言う訳じゃないけど……昨日のおまわりさんの時は……」
聞くと、警察官の時は「オレさん助けなきゃ!」と必死に頑張ったら、ああいう事が出来たらしい。
オレ「……ってことはね」
オレ「つまり、それ以外の、家のラップ音や水たまりや、腕の変化や、数珠など。
君はまったく意図しないでやっているって事じゃん、それって悪いことなのかな?」
S子「(´;ω;`)でも私、迷惑じゃ……」
オレ「オレの話を聞いて。
俺は思うんだけど、そうなってるなーって気が付けてるだけで偉いと思うよ。
たしかに治せれば凄く良いけど、治らないなら仕方がない。
いつか治れるようになれば、いいじゃないかな。急ぐことでもないよ」
S子「……はい(´^ω^`)」
でも、素敵でかわいい笑顔だった。
オレ「……うし、気分転換に歩こうか」
S子「は、はい……!」
その時、一応周囲を確認する。
DQNが馬鹿騒ぎしているだけど、こっちの異変や、コッチが原因だとは思ってなさそうだ。
オレ「うし、行きますか」
S子「は、はい……」
俺は励ますつもりで園内を見て回った。
この歳になってから見まわる植物園は少し小さく感じた。
あの飽き飽きと見ていた花も「綺麗だなー」とか思える様になって、不思議な感覚だった。
何より、となりに女の子がいるのが、もの凄く………………ものすっごく、良かった(´∀`*)
そうとしか言えなかった。
しかも、可愛いんだよ。
花を見てて「あ、花だー」とか、指さして「鳥がいるー」とか、
もっと近くで見たいとか言って、柵をすり抜けて見に行っちゃったりとか。
オレ「……(^ω^)うん、かわいい」
S子「近くで見たら、そうでもなかった……あははw」
オレ「wwww」
S子「色分からないけど、綺麗な花なんだろうねーw」
オレ「すごくきれいな花だよ」
それ以上に、君の方がとか、なんだとか、DT拗らせて、
脳内床ばんばん叩いて、顔真っ赤ッかになっちゃってて。
もう、わああああああああああ(^ω^)
落 ち 着 け オ レ 。
結構時間を潰し、ゆっくりと花壇ゾーンを歩いていたときだ。
名前は分からないけど、色とりどりの花が咲いていた。
説明には四季ごとの花が咲くように出来ているらしい。
S子「オレさん、私って怖いですか?」
オレ「……怖くないって言えばウソになるよ」
S子「そうですか……」
オレ「でも、こうして話しているのは楽しいよ(・∀・)」
全部本当の気持ち。てか、怖いって気持ちはあんまりない。
怖い事が起これば怖いって思うのが普通だし、それ以外の時は「幸せ~ふにゃ~」って俺は思ってた。
S子「オレさんって、本当にやさしいですね」
オレ「え、そ、そうかな……」
口元がモニャモニャした。
S子がそれを指摘してイタズラに笑ってくる。
老婆「あら、仲が良いのねェ~」
そんな状態の時に、 突 然 の 老 婆 (しかも、S子見えてる。
オレ・S子「「え?」」
老婆「あれ、今の子はどこに……?」
80ぐらいの見事な婆様だ、そう言えばお年寄りをよく見かける。
オレ「な、なんのことですかーw」
そう言うが、S子は俺の後ろに隠れていた。
え、何で隠れるんだろう。すごくかわいいだけど、
老婆「はて……?」
その後老婆に、花の話をつき合わされ、時間が1時間ぐらい過ぎた。
なんであんなに花の話長いんだろう。
S子はその間、俺の近くの花や屋台を見て回っていた。
オレ「●●にあった青い?白い?みたいな花ってなんですかね」
先ほど、S子が見に行った花だ。
老婆「水辺にあったやつかい?(・~・?)」
オレ「そう、それです!」
この老婆が植物園マスターか。
老婆「そりゃ、スイレンだね(・∀・)」
オレ「ほうほう……」
老婆「その花が好きなのかい?」
オレ「はい」
老婆「言い花だよ。花言葉は『純粋』だったかの」
S子「……長かったね」
オレ「お年寄りはね……w」
む、なんかいじけてないか?
S子「そうですか……」
オレ「ところで、なんで隠れたの?」
S子「匂いが……」
オレ「え、匂いは分かるの……?」
S子「違うの、あのね……昨日オレさんに会ったときもしていたんだけど、
すごく薬みたいな、線香かな?、そんな感じの匂いがしてたの。
その匂いがする人は、前々から近寄りづらくて……。
近寄ると押し返されるみたいな感じがしたの」
オレは服の匂いを嗅ぐ。
……うん、オッサンな匂いだ。
S子「ただ、今日はオレさんから匂いはしないし、凄く近寄りやすいよ!」
ニッと愛想笑いでS子は言った。
オレ「本当に?」
S子「……少ししているけど、昨日ほどじゃ」
オレ「なんなんだろう……」
察するに数珠のことだろう。凄い匂いしてたし。
S子「でも、昨日帰る頃には匂いはしなくなってたよ!」
あ、多分その時だ、砕けたの。
そう思いながら俺は言わずにコーラを飲んでいた。
今日のお題は、日頃何をしているかーだった。
バイトがある時以外は、ネトゲー漬けのオレだ。
それでもS子は「知らない人と遊べるってすごいよ!」と、何故か励まし気味にほめられた。
S子「やっぱオレさんは、そう言う人なんですよ……w」
フフッと、笑うS子は凄い可愛い……。
オレ「S子さんは?」
S子「うーん……、いつもボーッとしてたかな」
オレ「時間の感覚って……?」
S子「そうだね……特に感じないかな?」
オレ「そっか、不便だねー……」
S子「……でも。」
S子が小声で言う。
S子「オレさんを待ってるときは長く感じるなー」
照れくさそうにS子は言う。
チラッと俺の顔を見て、目線をそらす。
あかん、オレ、オレの胸よ、鼓動よ、息子様よ、鎮まりたまえ。
俺は動揺し、興奮し、何も言えず、
S子をガン見してしまったorz
S子「へっ……wなんですかw」
オレ「いやいやいやいや、なんでもないw」
――――そこで本日の危機が訪れた。
オレ「い、いやいや……w」
S子「オレさんおもしろーいw(・∀・)」
オレ「は、ははは……ww」
チラッと、目線を下に提げる。
S子の魅力的なスカートと、そのスカートから伸びる黒ストッキングの足を見る。
ふっくらとした健康的な太もも、ただふと過ぎずスラッと綺麗なラインを描く足。
股の所に手を置き、モジモジとしているその仕草(やましい事してないよ)
にしても、本当に綺麗な足だ。
ストッキングのしたの足も、肌の様に白く綺麗なんだろう……。
S子「もー!オレさん何見ているんですかっww(´∀`*)」
顔は照れ臭そうに笑っていたよ。
俺も笑いながら「へへっ」って思っていた。
恥ずかしがるように、S子が左手で俺の右肩を押した。
正確には、右肩をS子の左手がすり抜け、背中へ流れたのだが。
オレ「えっ( ゚д゚ )」
途 端 、 視 界 が 暗 転 し た 。
ズズッと車で100キロ以上出した時のGが掛かっているような、
妙な感覚が右肩を襲った。
暗転する視界が空を映し出す。
ボーッとオレが眺めていると、係員らしき人が走って来て何か声を上げてる。
その横でS子が「オレさん!オレさん!」って叫んでいた。
オレは地面に吸い寄せられるかの様に肩を持って行かれ、
起き上がりたくとも力が入らず、声も出ず。
オレ(これ金縛り?)
多分違う。
押さえつけられると言うより、そこに体の感覚が無いのだ。
S子「オレさん!オレさん!」
オレ「は、ははは……(´∀`;)」
俺は妙に冷静に、ただS子の顔を見て元気が出る様に笑う。
係員は容赦なくバケツの水を俺にかける。
溺れかける。
――気が付けば、病院に居た。
親父「起きたか!」
親父が俯いてて、俺が目を開けた時「(゚∀゚)」と嬉しそうな顔をした。
ああ、迷惑かけたんだなーって申し訳なく思った。
S子「……(´;ω;`)」
その横に、S子が泣きそうな顔で少し浮いて立っていた。(10cmぐらい)
ちょっと怖かった。
お医者様がきて「熱中症でしょう」と言われた。
園の人たちで応急処置し、救急車で運ばれてったそうだ。
医者「熱も下がり、汗も出てるし安心でしょう」
そう言うと、医者は出て行った。
親父は、恐らくS子と会っているからだと、言いたそうなことを沢山言って来た。
少し頭に来たが、親心で行っていると思うと、何も言えなかく、ただ黙って聞いた。
その後ろにS子が居たが、S子は怒るよりも、申し訳なさそうな顔で俺を見ていた。
親父「●●(親戚)に電話した、すぐに北海道に行くぞ」
オレまさかの東北旅行決定。
拒否権はなさそうだった、ちなみに確認したのか数珠のことを知ってた。
オレ「……ちなみに、その子が今そこに居るんだけど」
親父のバッと、驚いた顔を今でもよく覚えてる。
同時に、凄く怒っている様な、怖い顔をしていた。
親父「……どこに居る?」
オレ「もういないよ」
嘘だけど、ほどなくしてS子は親父の顔を見ると廊下へ出て行った。
小さくだけど、頭を下げていたと思う。
病院の方は点滴が終わったら家に帰っていいと、言われた。
親父とオレは先生に頭を下げた。
その日S子に会うことはなかった。
久しぶりに本当に怒ってる親父を見たと思う。
部屋の中からは、親戚に電話しているだろう親父の声がしていたが、
盗み聞きする訳でもなく、俺も自室へと戻っていった。
ベットに横になり、S子を考えた。
怒ってるだろうか、なんで庇ってあげられなかったのか。
気に病んでいないだろうか、どこかで泣いていないだろうか。
なにより「もう会えないのかな」と思うと、自然と涙が出てきた。
すごく苦しかった。
そんな気持ちを紛らす為に、俺はパソコンへと向かった。
専門は謎テンションだった。
後に知ったけど、その日は専門の誕生日だったらしい。
二ト「うっせーな、ガキ」
社長「まあまあ、二人とも^^:」
速攻でニトがツッコミを入れ、社長が宥めていた。
オレ「いやー、ちょっと病院に行ってまして」
専門「あれ?もしかして熱中症ですかー?」
専門は意外に勘が鋭い奴だった。
どうでも良い事を結構鋭く当ててくるタイプ。
オレ「……そうなんだけど」
専門「あー、幽霊絡みもありそうですねー……詳しく教えてくださいよ、旦那~」
オレ((# ゚Д゚)うぜぇ……!!)
ぶっちゃけ主っきり机を蹴飛ばしてた。
それを聞えたのか専門の口調は大人しくなった。
社長「……なにがあったか、話してくれるかな?」
ニト「そうだぞー、相談ぐらい乗ってやるよ」
専門「そうですよ、教えてください」
オレ「実は……」
今日あったことを話した。
夢の中の守護霊のこと、数珠のこと、植物園言ったこと、
最初のS子のチカラ、花を見たこと、S子に叩かれてからおかしくなったこと
ニト「が、ガチすぎるわ……w」と苦笑いしていた。
専門は唸りながら何かを考えていたようだ。いや、言いづらかったのかもしれない。
俺が少し頼りにしていた社長は一言。
社長「親父さんの言う通りにしなさい。」とだけ、言った。
ニト「とは言っても、除霊できるならするべきじゃないか?('A`)」
社長「私もそう思う。同時に、今回病院に運ばれるような事態になったのだから、真剣に考えなさい(`・ω・´)」
オレ「ですよね……(ヽ’ω`)」
専門「ただ、思うのですが――」
専門の言葉に全員が集中する。
専門「オレさんに、祓う意思がなきゃ失敗しませんか?(・∀・)」
ニト('A`)「は?オレは祓う気あるんだろ?」
長(・ω・)「そうだよね、オレ君?」
オレ「…………実は、一緒に居たいと思ってる」
ようやく、俺は”S子とどうなりたいか”を初めて口にした瞬間だった。
ニト「身体的に影響出てて、ご家族さんも心配してくれてるんだぞ。
お前はもう少し自分を大切に考えたらどうなんだ?
それに俺だってテメーの相談に乗ってやってたんだぞ。
確かに幽霊と仲良くなってるお前とか思い浮かべたら面白かったけどよ、
お前の身体が駄目になるようなら、俺は其処まで望んじゃいねーよ。
てか、お前お祓いしろよ、メンドクセー奴だな。それだけだろ?
それにな、お前がそう感情を抱いている相手は”幽霊”だからな。
お前や俺が住んでる世界じゃねーんだよ、ボケ。
二次元に恋する系のオタク野郎か、気持ちワーナ。いや、お前の場合はもっとヒデーよ
何お前はその子の為に死ねるの?死んで会いに行けるの?
もっと自分が味わった状況を考えろよks」
DQN口調で、ニトは俺をまくし立てた。
社長「ニト君、少し黙れるか?(#^ω^)」
苛立った声で社長は言う。
ニト「え、ああ?」
社長「ニト君は優しいから、そう言うのかもしれないが」
ニト「きれいごとですよ、綺麗事」
社長「……そうだな、ただ言っちゃいけない事も言ったから気を付けろ」
ニト「うっせーな、昔から口は悪いだよ」
社長「 黙 れ 話 を 聞 け 」
ニト「 嫌 だ 、 糞 社 長 」
ニトに口のきき方を直せと、社長が怒鳴り。
ニトはお前の態度が偉そうだ、と社長を怒鳴り。
専門と俺は何も言えず、いや、止めようと苦笑いしてたけど、二人の闘いは凄かった。
ニトの音割れ怒鳴りボイスは凄かった。
専門「お前ら本当に煩いwwww何熱くなってるんだよwwww」
そこに油を注ぐかのように登場したのは、専門の爆笑した声だった。
専門「喧嘩するなよwwwwww」
社長「……ふむ」
ニト「んだ(゚Д゚#)ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」
専門「貴方たちが喧嘩して決めた所で、無駄って分からないのですか?」
社長「ふむふむ……」
ニト「ああ゛《゚Д゚#》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」
専門「もうオレさんは、この話をこの会議チャットに持ち込まないでください。」
専門が、あのウザイ性格ながら、怒鳴りはするがニトも認めている長所を発揮していた。
『決断と切り捨』てが、何より早いのである。
300m掛かった装備も使おうとか考えず、速攻転用し、壊れても「ははは、壊れた」で済ませれる人なのだ。
チーム内でも揉め事があり、専門が仲裁に入るが。
ニトや、俺、骨顔さんが、マスターや他の役所持ちが来るまで待ちましょうと言う中、良くも悪くも一人で解決しようとする。
凄い場合はマスターに許可なく、メンバーを追放するようなこともする。
仲良こよしチームで唯一、残虐無比な性格している一面を持つのだ。
なお、チーム内で一番怖がられて居ると思う。揉めると面倒だし、ウザイし。
専門「もうオレさんは、この話をこの会議チャットに持ち込まないでください。」
こう言う、言い方をしなければ、間違いなく専門のオレの中での株は上がっていた。
結局、ニトも社長も落ち着きを取り戻し、互いに「さっきは」と謝り合ってた。
なお、専門がヤバイぐらい、社長とニトに怒られてた。
専門「……誰か怒れる人が居てよかったですね(#・∀・)d」
ニト「うんだと《゚Д゚》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」
やはり、専門……お前、惜しいよ……本当におしい……。
社長「今回はすまなかった。とりあえず、相談は個別チャットで受けるよ」
ニト「はぁはぁ……そうだな。まあ、祓ってもらって来い」
専門「俺には個別に話を教えてほしいなー」
ニト「もう怒る気も失せたわ……(# ゚Д゚)はぁはぁ」
専門『多分、俺さん、S子さんのこと好きになってますよ(・∀・)ニヤニヤ』
オレ『ウンな訳ww(*^ω^)』
専門『好きだと、怖い物も、酷い物も、許せるんですよ♪(・∀・)』
オレ『……そうなの?』
専門『ただ……幽霊じゃなければねー、お祓いは免れませんよ。
でも、どうしても……って言うなら止めません。』
専門『で す が 、 彼 女 の 幸 せ を 考 え て あ げ て 。』
専門『もっともお祓いが、彼女の幸せな気もしないけど。』
何となく、俺の頭の中に深く突き刺さった。
専門「俺も彼女にはそう言う感情を抱くので」
何故か、とても説得力を失った。
お前女ったらしだろうが……
ちなみにチーム内のリアル女が何故か専門を好きらしい。
何故こういう奴がモテるのだろうか。
どうしようもないクズ男好きな女多いよね・・
うちの職場に恩を仇で返しまくるクズ野郎がいるんだけど、同じ職場の人妻と不倫して、更に独身の女とも付き合ってるわ。
そういう男とつきあう女もろくでもないのしかおらんから、お互いクズ同士引き付けあうのかも。
その日の夢は、怒男も呆れた様に「(´Д`)ハァ…」と言う顔をしていた。
なんでそう言う顔をしているかは、直に分かった。
ただ、今日の場面は怒男が門の前に立ち、「あれあれ(´Д`)ハァ…」と指さしていた。
バッと、目が覚める。
頭にピリッと電気が走る。
そ の 日 、 S 子 は 家 の 前 で 体 育 座 り し て い た 。
足を寄せ、膝にデコを当てて、太ももの下に手を回し。
俯いていて髪の毛が顔を隠している。ただ泣いているように見えた。
S子は、我が家の門に背中を向けて座っている。
朝5時頃だったと思う。俺は迷わず外へ飛び出した。
オレ「(・∀・)!」
S子「(´・ω・`).;:…(´・ω…:.;::..(´・;::: .:.;: 」
S子は俺の顔を見ると、どこかにすーっと消えて行った。
歩くように道路を歩き出して、消えて行った。
いや、本当に空気に溶け込む下の様に薄くなって消えて行ったんだよね。
オレは酷く悲しい気持ちになった。
ただ、こんな朝から叫ぶにも、叫ぶにしても相手は幽霊だ……。
俺は自身の声を抑え込み、家へ戻るしかなかった。
親父「その子でも来てたのか?」
オレ「うん……」
親父「参ったな……憑りつかれてるじゃないか」
オレ「それは無いと思う」
とは言うも、親父は聞く耳を持たなかった。
そして、北海道へ向かう話になった。
親父「オレはついていけない。だから、お前だけ行って来い」
予定は来週らしい。
それまで出来るだけS子には近づかず、家の中で大人しくして居ろと言われた。
バイトが来週から始まるはずだったが、急きょ延長してもらった。
夏休みに調子こいてオーナーと俺で学生を雇いまくったのが幸いして、かなり長く貰えた。
俺 が 我 慢 で き る わ け が 無 か っ た 。
今すぐにもS子に会いたかった。
それも分っていただろう、親父は、親戚たちは、俺にあることを隠していた。
>>201
オカルトな話だし、ありきたりな話だ。>>1でも言ったけど。
で大体分かる人は分かると思うよ、オチは。
1の婆ちゃんが爺ちゃんに邪王炎殺黒龍波を放って大団円やと思う。
>>1の100パーセントの力を見くびるな
そして、S子はよく見たら戸愚呂兄だった
怠さもやばい。
もう少しよくなったら続き話します。
>>208-210
黒龍波じゃないけど、こないだ祖母が黒スイカを祖父に投げつけてた。破ッ!
>>211
そりゃ……ねぇ……。
この先見ていれば分かるよ。
>>212
どうも怠い+頭痛い……。
その日は、家から出ずに只管ネトゲしていた。気が付けば午後8か9時だった。
まあ、いつものことだ。
ネトゲはしていたが、その頭の中ではS子のことばかり考えていた。
一体なぜ、家の前に居たのか。
何で何も言わずに消えたのか。
オレはS子になって言って上がればいいのか。
まだ短い間でしか会ったことないけど、あの笑っていたS子の顔を思い出すと、凄く愛しいと言うのかな、
今すぐにでも会いたい!って変な気持ちになった。
ニトとオレと他メンバーで高難易度()なクエストをやっていた。
ただ、ニトが俺の異変に気が付いたらしく。
ニト『どうしたんだ、死に過ぎだぞksが(´・ω・`)』
まさかの暴言に俺は面を喰らったが、微かに元気になった。
オレ『S子が居なくなっちゃったのかもしれない』
ニト『そりゃ、良かったんじゃないのか?』
オレ『どうなんだろう……よくは無いと思うんだ』
ニト『それは、また…メンドクさ(´・ω・`)』
オレ『S子に会いたいよ……』
ニト『俺の考えは、やっぱりS子と関わるのは反対だわ』
オレ『うん……』
ニト『ただ、実行するのはオレじゃないし、オレは正直どうでもいい』
ニト『……もういいや、お前が好きにやりたいようにやれば?』
冷たい突き離すような言い方だったけど、オレは目覚めた。
俺は強く決意多。
その夜は、社長から個別でチャットが来ていた。
本格的にお祓いを勧めてきのである。
ただ、家の方でお祓いすることになったと伝えると、良かったと笑っていた。
もちろん、明日、S子を探しに行くとは言っていない。
言えば、迷惑や面倒事になると思ったからだ。
専門は、その日は会議チャットの方に顔は出さなかった。
ニトや社長とは距離を置いて、他メンバーとクエストに出かけていた。
たぶん、昨日事があってだと思う。
ちなみに、ニトも社長も、専門には個別で謝ることにしたらしい。
専門の態度や言い方には腹立たしいが、そうなるのも無理が無い、と言うのが社長の見解だった。
ニトは、「まあ形だけでもー、一応チームメンバーだしー」と謎のデレを見せていた。
たぶん社長がニトをおだてて、ついでに謝ることを勧めたのだと思う。
専門の方も、オレに『謝んなきゃ駄目かな?』と相談してきた。
俺は『その方が良い』とだけ言った。
専門からは『(´・ω・`)』の返答以外、何も来なかった。
そんなこともあって、俺は何だかチームに居るもの辛くなり、いつもより大分早く(とは言っても、ここ最近は早かったけど)
ログアウトし、眠りについた。
翌日、図書館に行くなど、適当な理由で外に出た。
S子と出会った交差点、図書館、公園、川……長い間探したが見つからなかった。
その夜、親父には「会いに行ってないよな?」と問いただされた。
オレ「うん」とだけ答えた。
親父はジーっと見ていたが、直に表情を変え「●●に行ったらこれ買ってきてくれー」と来週の話が始まった。
どうやら親戚一同はヤル気十二分で、
同時に8年ぶりぐらいに来るオレを歓迎する準備を進めているらしい。
内心少し楽しみだった。
怒男が一度出てきたのだが、何を話したか本当に覚えてない。
ネトゲの方も、勝手に考え込みログインしなくなっていた。
S子に会って9日目、S子が消えて4日目。
三日後、新幹線と船を利用して北海道へ向かうことになった。
それを朝告げられ、俺はボーっと聞き、日課になってしまっていたS子探しに出かけた。
初めてS子に会った場所、いない。
図書館……いない。公園……いない。川……いない。
もう会えないのかな、と思い始めた。
と言うか、これでお祓いして効果はあるのか?とさえ思い出していた時だ。
頭に電気が走る様な、直感を感じた。
――町の商店街をゆらーゆらーっと、灰色の視界で歩いている誰か。
俺は直に分かった。
これはS子の視界だ。S子は商店街に居る!と。
自転車を立ちこぎし5分程度の距離だ。
商店街のコンビニと時計が見えたから、恐らくこの辺り……。
と思いながら、周囲を見渡すがS子の姿は見えない。
俺は必死に考え、S子のあの動きが何処へ向かっていたのか、を考えた。
オレ(この方向で進むなら、図書館か?)
何度も確認したし、何度も見た場所。
いやいや、もう一度確認しに行こう。S子居る筈だ!
無駄に変な自信と興奮を抱きながら、俺は図書館へ向かった。
若干、係員の人とは顔見知りになっていた。
……と言うより、印象に残っていたのだろう。
それもそうだ、本も読まずキョロキョロと辺りを見渡しただけで出て行くオレだ。
俺は息を整えながら図書館内を探索した。
ただ、一向に見つけることはできなかった。
―― そ し て 、 俺 は あ る 奇 行 に 出 る こ と に し た 。
周囲(´・ω・`!?) (!?・∀・) ('A`!?) ( ゚д゚ !?)
周囲の痛い視線が俺に突き刺さる。
ただ、俺は構わず叫んだ。
オレ「別に気にしてないから!出て来てくれない方が気にするから!」
恥を忍んで叫んだ。
駆けつける警備員や係員の足音を聞き、( ゚д゚)ハッ!として冷静さを保った。
係員「どどどd、どうしたのですか( ゚д゚ )」
警備「騒いでるんじゃないぞ!」
オレ「……(´;ω;`)」
気が付いたら俺は泣いていた。
それに気が付いたのか係員がポケットテッシュを差し出した。
周囲に人が集まりだして、大学生みたいなやつがニヤニヤしながらスマホを向けた。
それを警備員が「何、撮影しようとしているんだ《゚Д゚#》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」と超絶怒鳴り声をあげてた。
ササッて、カメラ向けてた若者が逃げてった。
てか警備員メッチャ顔怖いの。
安岡力也みたいな顔で体格180ぐらいあった。
警備員の人が半分強引に俺の首元を掴みながら、こいっと連れてかれた。
内臓売られるかと思った。
事務所の応接室に入る、オレ・係員・安岡。
高そうなソファーとガラスのテーブル、あと周囲になにかの証と写真が飾られてる「ザ・応接室!」っという感じの部屋だった。
近くにある棚から紅茶を取りだし、「何を飲みますかー?」と係員のお姉さんが優しく尋ねる。
リプトンのアップルティーをお願いした、図々しかったかもしれない。
安岡は「コーヒーで」と、お前も飲むのかって心の中でツッコミを入れた。
安岡はコーヒーを飲みながら、オレを睨んでいた。
超恐かった。懐にドス入っててもおかしくない顔をしている。
てか、よく見ると日焼けしていたが、額になんか切られた(?)みたいな傷跡あった。
一方で係員のお姉さんは「落ち着きましたか^^」と笑顔で話しかけてくれた。
ちなみに係員の人は眼鏡をかけたベッキーみたいな顔してた。美人さんの分類だと思う。
お前クッキー好き過ぎるだろ。
係員「ここは公共の場ですので……」から、「●●な行為はご遠慮願ってます―」とか。
普通に、あたりまえな、当然なことを怒られた。
その後、何かをプリンターから印刷し、謝罪書?なのかな、
簡単に書くと『今後このような行為はしません』と言う契約書を書いた。最悪出入り禁止と書かれていた。
安岡の方はコーヒー5杯目に突入していた。
ちなみに「そうだぞ」とか、「こないだもホームレスが」とか、小さく相槌入れながらこの話に乗ってた。
オレ「え、あはい!」
突然言われて、俺は動揺した。
安岡「そうなのか?勉強か?」オラッオラッ
何故かニヤニヤとうより、ニカニカした笑みでオレを小突く安岡。
てか、アンタ最初オレの目に座ってただろ。いつ横来た。
係員「でも直に何か探して出てっちゃいますけど、お探しの本とかあるのですか?」
オレ「あ、それは……」
流石に「幽霊を探しています」とは言えず。
オレ「人を探していて……」
安岡「人?女か?」オラッオラッ、ニカッ
オレ「ええ、あ、はい……」
係員「あらあら(・∀・*)」
安岡「どんな子だ?」
オレ「えーっと、肩まで髪の毛があって、セーラー服姿の、高校生ぐらいの女の子です」
安岡と係員の顔が「へ?」と曇った。
たしかにパッと聞くと、不信極まりない発言だった。
安岡「まさか、間違ったことしている訳じゃねーよな?(# ゚Д゚)」
オレ「そそs、それはありません!」
安岡「本当だな?……にしてもこの時期にセーラー服か……私立高校か……」ブツブツ
係員「うーん……少なくとも今日は見てないわね……」
安岡「プライベートなことを聞くが、その子とはどういう関係なんだ?」オラッオラッ
オレ「こないだ、ここでその子と会いまして……
それで……仲良くなって……向こうから会いに来てくれたりとかして……」
オレ「適当にお話しとかして、植物園行ったりとかして……、
別にやましいことしてないですよ!」
ハッと気が付いた。
係員・警備員(・∀・)(`・ω・´)ニヤニヤ
こ、こいつら……楽しんでやがる…………ッ!!!!
ズキッとしながらも、答えた。
オレ「植物園で熱中症にかかっちゃいまして……それを気にしているみたいで」
係員「あー、私のせいとか思っちゃった感じかな?」
安岡「思う物か?お前の体調管理が悪いんだろ」
うーん……、彼女のチカラが原因だから……いや、でも……。
係員「今の子は、結構自分のせいだ!って抱え込むんですよー
うーん……そうだねぇ。
一番はやっぱりその子と会って話をするしかないよね」
安岡「そうだな……ただ、今日みてーなことは駄目だ。迷惑だ」
その後、安岡に今日は家に帰れと入口まで送られた。
係員さんは「お幸せにー」と小さく手を振って見送ってくれた。
※次レスでご飯行きます。
安岡「……男なら女の一人二人、めそめそするな」
オレ「……。」
安岡「ただ、女の一人二人、大切にも出来ない奴より、お前は良い奴だ」バンバンッと背中を叩く。
ちょっと惚れた。
無駄に夕日がバックにそう言う安岡はカッコよかった。
安岡「もう暴れるなよ!がんばれ、坊主!(゚Д゚”)明日があるさ!」オラッオラッ
オレのようなオッサンを坊主とは……
てか台詞イケメンすぎるだろ……。
この人なにものだよ……。
俺は奇行を反省しながら、家へ向かい自転車を勧めた。
そして、この日の奇行が報われるのは、意外な形でやってきたのである。
それもその日のうちに。
オラオラっ
なんかお前の人生充実しているな。
てか安岡ワロタ、テルマエロマエの人でしょ?
久々の良スレ
>>228
このスレ厳しい人大杉……ww
テルマエロマエ見てないから分からないや(´・ω・`)
>>229
こんな長い文読んでくれてありがとうございます。
そう言ってくれると嬉しい。
>>230
なんでや!
オレ「( ゚д゚)」
家について俺は驚いて声が出なかった。
家の前に居るその子に、オレは目が釘付けになった。
その人は「……オレさん」と、小さな声で言う。
泣きそうな顔をしながらも、強い表情で、オレを見つめていた。
オレも似たような表情でその子を見ていたと思う。
オレ「( ;д;)ぇ、え……?」
肩まで伸びた艶のある髪に、綺麗な肌。
適度に膨らんだ胸と、スラッとした身体。
セーラー服に、膝上程度のスカート、そこから延びる黒ストッキングの足。
S子「オレさん……(´・ω・`)」
オレ「S子さん(;∀;)」
S子が居た。
二日ぶり(大体三日ぶりかな?)に見たS子はやっぱり可愛かった。
DT拗らせまくってたww
S子も「え!?え、なに!?(・∀・;)」って感じになっていた。
オレは小躍りしながら、S子に近寄る。
やっぱりS子は何処から見ても可愛い子だった。
オレが、見間違えるわけが無い。
S子「近寄らないでッッッ!!!!!!」
その体の何処に、そんな大きな声がさせる力があるのだろう。
いや、もしかしたら霊的な物だったのかもしれない。
オレ「Σ(・∀・;)」
S子の声が俺の頭の中に響く。
木々 ガサガサガサガサッ!!!
同 時 に 激 し く 揺 れ る 家 付 近 の 木 々 。
それをハッとした表情でS子は見て、また泣きそうになっていた。
オレ「え、そんな事は……(・∀・;)」
S子「嘘言わないでいいですよっ……」
オレ「……ごめん」
S子「謝らないでも良いです……、私が悪いです……」
オレ「……そうか。」
俺の頭のなかで、社長が呟く『聞いてあげろ』と。
俺は再びの社長モードに突入した。
どうして、私は変なことを貴方にしてしまったのか。
でも、貴方も言ってたけど『意図してやってない』から、どうすればいいか分かんないです。
貴方は『いつか治れるようになれば』って言いましたけど、それじゃダメなんです。
今すぐ治せなきゃ、貴方の傍にいることはできません。」
S子から、オレのことを「貴方」って呼ばれる度に、胸がギスギスした。
直にでも励ましの言葉を言いたかったが、社長モードの俺は黙って聞く事にした。
S子「それにオレさんから離れている間にある程度試したんです。
でも、やっぱり何もできませんでした。
それに腹が立って、悲しくなって、どうすればいいか分からなくなって……」
ここ等辺からS子が過呼吸気味になっていた、
俺はそれを見るのが辛かったが、見ることを選んだ。
S子「そしたら、今みたいに木が揺れたんです。強く」
S子はグッと顔に手を当てた。
……泣いていた。
S子「――これじゃ、またオレさんに迷惑かけちゃう……っ!!!!」
また木が揺れた。
今度は怖くなかった、
それ所か、寧ろS子にすごく集中していて気にもしなかった。
S子「あの日、オレさんを叩いた時、変な感触がしたんです。
もの凄く嫌な感触でした。ブニョブニョの生肉を触ったかのような感触でした。
その時、”駄目”ってすごく強く感じたんです。
だから慌てて手を引いたけど、間に合いませんでした。
そしたら……オレさんが、オレさんが……」
S子は早口でそう言い、泣いている。
それに合わせる様に周囲の物がカタカタと揺れている。
ただ、言葉選びを間違えた。
オレ「だ、大丈夫だよ……!」
社長モードが切れてしまってたのか、いや、適当な上っ面だけの言葉をかけてしまった。
たぶん、それが間違っていた。嘘はついてないけど、間違った。
S子「大丈夫じゃない!!この変なチカラをどうにかしないと傍にいれないの!!!!!」
S子は怒鳴り、俺を睨みつけていた。
その途端、体が動かなくなった。
金縛りだろう。それ所か、締め付けられてるような、嫌な空気が辺りに立ち込めている様な気がした。
生ぬるい空気が俺を包み込んでいると言うべきだろうか、
植物園の熱帯雨林ゾーンの中の湿度高めのような空間だ。
S子「適当な言葉を言わないでよ!!!!私は……私は……」
そう言いながらS子は頭に手を当てて、過呼吸になって、暴走していた。
オレさんに会えて、オレさんが話しかけて来てくれて。
オレさんは優しいし、どんな状況でも明るい言葉をかけてくれた。
楽しい話もしてくれた。でも……それなのに、私は……!
オレさんに酷いことをしてしまった……!!それが許せないの……!!嫌なの!!!
分ってよ!!!!!!!!!!!!!!」
意識が飛ぶんじゃないかと言うほど、強い衝撃を頭に受けた。
いや、物理的な衝撃じゃないけど、ガクンッとなる様な。
そんな摩訶不思議な衝撃だった。
ただ、それを受けてから、俺は”変なモノ”が見えた。
S子の周りを黒いモヤが包み込んでいる、そんな感じの様子が見えた。
S子は気が付いていないのだろうが、そのモヤはしっかりと足に纏わりついている。
オレは本能的に察した。このままじゃ、S子が危ないと。
それも本当だった。
だんだん泣き声が大きくなるにつれ、S子の周囲のモヤは濃くなっていく。
オレは、それをどうにかしたかった。何となくフーフーしていた。
意味はもちろんなかった。
それに、だんだんと身体を縛り付けるチカラが強くなってきている様な気がした。
意識も飛ぶんじゃないかと言う衝撃も、度々飛んできている。
S子、元気になってほしい。笑ってほしい。
そんなに泣かないでほしい。またお話ししよう、とか、心の中で凄い念じた。
S子は「オレさんに、オレさんに……っ!」
どうしようもできないだろう。
下手したら俺は、これで死ぬのだろうか?死因は心臓発作かな?熱中症かな?テクノブレイクはないよな?
ネトゲもう少しやりたかったなー、次のアプデどうなるのかなー。
社長やニトや専門に謝りたいなー、そう言うのも全部やれなくなるのかなー。
ネットで馬鹿なスレみたいな、SSの続きみたいな、あのラノベの続きどうなるんだろう。
オレは思った。
そ れ で も 良 い 。 S 子 を を ど う に か し た い 。
??「オレ君、コッチだッ!!!」
俺の後ろから若い声が聞えた。
そ の 願 い は 通 じ た の だ 。
止めても会いに行くなーっと親心ながら分っていたらしい。
それで親父と同じように上京した”ある人”を呼んでいたのだ。
親戚からもそうするように頼まれていたその人は、俺も”よく知る人”だった。
オレ「あれ……?」
本当に突然だった。
後ろから、誰かが俺の名前を呼んだ。
その途端、身体がフッと軽くなったんだ。
声がした方を振り向いた。
――北海道に行くたびに、よく遊んだ”従兄”だった。
久しぶりに見る従兄は手にうちわのような、妙な道具を持って、オレをの方に叫んでいた。
歳は俺より上だが、たしか医者になる為に、東京の医大に入学したとは聞いていた。
イケメンで、元バスケ全国大会出場者で、医学生、背はもちろん高い。
運動神経がよく、ヘルプでバレーの大会にも出ていたと聞く。
俺とは住む世界が別の人間だ。
短大で文系、とは言えFランを卒業したオレと比べれば、明らかに優秀な人だ。
そんなのは別としても、東京に近いとは言え、ここに来ているとは思わなかった。
従兄「はやく!!早くコッチにきなさい!!!!」
従兄は必至に怒鳴る様に俺に行っている。
うちわを俺へ向け、鈴(?)みたいな金具を鳴らしていた。
ワゴン車のドアが開いていて、そこから、祖父や祖母が手招きしていた。
オレは、久しぶりに会う従兄や、この窮地を救ってくれる状況に感謝しながらも。
従兄「えッ!?」
力がみなぎった。
不思議とやましい感じじゃないけど、滾った。
従兄や祖父祖母には申し訳ないなーって、思った。
でもしょうがないよ。気が付いたら
S 子 の 方 へ 走 っ て た 。
迷う暇もなかった
可愛かった(´∀`*)
いいよ、可愛いから許すよ。許せるよ。
お願いだから元のS子に戻って、またお話ししよう、S子は優しい子だし、良い子だって、オレ知ってるよ。
ヤンデレ化してたと思う。
頭の中で何回も「S子」連呼してた。
もう頭の中本当に。
S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子
S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子
S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子。
と言う具合だった。変態だった。
それでもいい。死んでもいい。
これが覚悟を決めると言うことなのだろうか。
妙に冷静で、妙に時間が無く感じれて、妙に幸福感に溢れていた。
俺は、家の前で泣きじゃくるS子へ一直線だった。
オレは「いいねー萌えるねー(´∀`*)」と声には出さないが、変態モードで突撃した。
S子は、何回も「来るな来るな!!」って叫んでいた。
うん、たしかに、そう嫌がるたびに、俺の身体に、もの凄く重いぬるい塊が張り付いた気がした。
ガクッと、意識が後ろに飛ばされると言うのだろうか、
先ほどとはくらべものにならないほどの衝撃を受けたが、不思議と意識は飛ばなかった。
にしても……
そう嫌がるS子も可愛かった。そう可愛いから、話がしたい(´∀`*)
DT拗らせ気味に、S子より暴走気味に、S子へ突撃した。
なんだろう……今思い出すと、凄くいけない同人誌のような感じだったと思う。
オッサンが鼻息荒あげ、笑顔で、震えてる女の子を追い詰めてるでしょ?
そのサークル並びますわ。買いますわ。
S子「……なんで来るんですか?」
泣きながらS子は言った。
涙が流せないS子だが、泣いているんだとオレは直に分かった。
S子「これ以上、貴方に迷惑かけたくないんです!!」
S子が強がって睨んでくる。
うーん、かわいいね、いいよ、いいよ、なんでも聞いてやるよ。
S子「もう傷つけたくない、迷惑かけたくない……嫌だ……
分かったんじゃないの?今ので、今日ので、うんうん、違う……。
一昨日の所で、私が変な子で怖い子だって、分かったんじゃないの!?ねえねえ!!!」
ガツーンっと、俺の頭に衝撃が来る。
ただ、不思議とニッコリとした。言っておくけど、Mじゃない。
オレ「全部知りたい?」
S子「……うん」
オレ「初めて会った時から、S子のことは怖いと思ったよ。」
S子は「やっぱり……」と言った表彰で暗くなる。
オレ「夜中なんか、親父と一緒に寝ちまったよ。怖かったさ。
次の日あったよ、左腕が変色して焦ったよ。怖かった。
警察官に変なことしてたよね、あれ見てて怖かったよ。
植物園で木がメッチャ強く揺れた時は、死ぬかと思ったぐらいだ」
S子はまた泣きそうになる。
オレ「最後に、植物園でオレの意識が飛んでしまったことだね……もちろん、怖かったさ」
S子「じゃあ、なんでよ!!!!!」
また、ガツーンと、俺に変な衝撃波が飛んでくる。本当になんなんだこれ。
オレ「……ふぅ、それ以上にS子が勝手に居なくなるのが怖いんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!
そう不安になって、心配になって、何が悪いんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺は中二病モードに突入していた。
……いや、嘘。マジで本音だった。
S子
と、ガクガクした足を指さす。
自分で言って気が付いた、足が震えていた。
オレ「でもな!すごくS子のことを探したんだよ!!ほんとうだよ!!!」
S子「……。」
オレ「なんでだろう、なんで伝わらないの!?ねえ!?俺がDTだから!?」
S子「……。」
オレ「今さっき、家の前にいてどれだけ嬉しかったか、分かる!?」
S子「……。」
オレ「図書館で雄叫びあげちゃうぐらい、俺が寂しい思いしたの分かる!?」
S子「……。」
オレ「家族にな、S子のお祓いしようってなったんだけど、それだって凄く嫌がってるの!!!!!」
オレ「S子、居なくならないでよ……」
気が付いたら、何故か俺の方が号泣してた。
誰かを励ます時は、気丈に振る舞ったり、その人より早く心折れちゃだめだって、
ネトゲのマスター(社長)で学んだんだけど、俺が泣いちゃってるの。
失敗したかなーって、思った。
だって、そうやって叫んでいる間も、どんどんS子の周りの黒いモヤが濃くなっていくだもん。
最後言い切った時なんか、S子の下半身は見えなくなっていた。ただ、ある意味、そこで止まってたのかもしれない。
オレ「なにィ!?」(少し声が裏返った
S子「……本当にごめんなさい」
オレ「――うん、いいよ(´∀`*)」
即答、即返答、すごーっく、あっさり。
俺はここで許した。
もちろんS子のほうは納得してなさそうだったけど。
S子「ごめんね、勝手に考えて……でも、考えるほど駄目になってて」
オレ「はっはっはw俺もそう言うことしょっちゅうだよ!ww」
S子「本当にオレさんに、迷惑かけたこと、どうしても謝りたいと思ってたの、それは本当だよ」
オレ「大丈夫大丈夫、分かるって!」
号泣しながら、オッサン、笑顔。
通 報 待 っ た な し 。
通報されなかったけどね。
只管やまってくるS子に、オレは「いいよいよ!」って泣きながら言ってた気がする。
S子は、オレに迷惑をかけた事が本当に許せなかったそうだ。
自分が自分を許せないって言う状況ほど、惨い事はこの世界無いなーって、この時知った。
オレ「もう、暴れないでね。大丈夫だから、落ち着いて」
そう、その時には、もう謎の揺れや金縛りとか衝撃波とか飛び交っていなかった。
その事を伝えて「ほら、大丈夫じゃん!落ち着けば!」って俺は言ってあげた。
S子は、やっぱり納得してない様子だけど、「オレさんが言うなら」って言う感じで落ち着いてた。
まあ、俺が一番うれしかったのは、何より。
オレ「S子さん、居なくなるとか言わないでね!」
S子「…………はい!」
S 子 、 笑 っ て た 。
ニコニコしてた、すごく明るく笑ってた。
俺の心は温かくなった、幸せになって、幸福感ぱねぇってなった。
いつの間にか、理性が外れてS子に抱き着こうとしてたけど、
スカッてなって、それ見てS子が「怖いよ……w」とか笑って、俺も笑って。
何より、気持ちが落ち着いて、幸せだった。
大分時間が立ってからだろうか、ものすごーーーーーーーーーーく苦笑いしながら従兄が言った。
俺は忘れてた、急に恥ずかしくなって顔が熱くなる。
従兄「そ、その……うん、よかったね」
肝心に不審者を見る、あの俺が痴漢冤罪で捕まった日の乗客たちの目を向けられていた。
祖父「うむ……好きなのか……」
祖母「なんとま…………」
ひ孫の顔を見せることは、今も叶う気配ないけど、この時「ごめん無理だ!」って感じた。
従兄「えーっと、ごめん、状況整理しよ」
オレ「えっと、何から話せば……」
従兄「とりあえず、オレ君は、そのモヤモヤした人影が見えてる訳だね?」
オレ「え?モヤモヤ?」
従兄「え、ちがうの?」
オレ「カワイイ女の子が……」
従兄「え……、どういうことだ、全く分からないぞ、困ったなぁ……」
オレ「うわーぉー……」
思わず声が漏れた。
従兄「……どうしよう、すごいな、これ」
従兄は一生懸命うちわを振っていた。
家の中は悲惨なことになっていた、と言っても玄関、祖父祖母の部屋だけだが。
まず、祖父・祖母の部屋はタンスが全て飛び出し
仏壇のところ以外、全て嵐が過ぎ去ったようになっていた。
玄関も似た様に、棚から靴が飛び出し散乱している。
あとから来た、祖父と祖母が後片付けしていた。
と言いながら、話し始めた。
俺が熱中症(S子に触れられた)日の翌日、従兄に電話が来たそうだ。
幸いなことに、丁度従兄は夏休みに入り、適当に過ごそうとしていた所だったらしい。
とは言え、20日あるうちの半分以上を講習に当ててたそうだ。
ちなみに俺に関わる為に、今週中は全てキャンセルしたとの事。単位は問題ないらしい。
従兄の母、つまり、親父の妹(叔母)から電話が来たそうだ。
叔母「オレ君が危ないみたいなんだ」
従兄は、昔から自分の家がどういう家系かは知って居たそうで、お祓いをしているも知っていた。
叔母「でね、親父さんが、そんな危なくてもオレ君が会いに行きそうなんだって」
親父から、叔母に伝わった内容が判明した。
まず、俺は幽霊に憑りつかれたと思っていたらしい。
オレ(間違っている様な、間違っていない様な……(;^ω^))
そして、その憑りついた霊は、相当強く昔、オレに憑りついた地縛霊クラスかも、と言ったらしい。
オレ(大げさな……と思うが、大げさでもないかもしれない(´∀`;))
その地縛霊の時がどういう感じであったか分からないが、事故死した女性の方で、怪奇現象が酷かったらしい。
記憶にないけど、従兄は運ばれてきたオレを見ていて、俺が「アハ、アハハハハッ!」と女の声で笑ってたと言った。
俺の中二設定能力がカスタマイズされた。
曰く、北海道の祖母自家製の魔除けらしい。
ちなみに効果は、さきほどのオレの金縛りを打ち飛ばした時点で、バッチリだ。
従兄「それでオレ君の傍に結構いたんだよね……w」
親父とコンタクトを取り、俺の動向を観察していたらしい。
しかし、徒歩の従兄に対して、自転車の俺で、慣れない町。
迷子になりまくって、酷かったそうだ。
従兄「……で、一時間ぐらい前、おあばちゃんから電話があってね」
北海道の祖母から電話が来たそうだ。
祖母「急いで、○○(親父)の家に行けー!!!!!」
従兄「夢に出るような声だったよwただ、直に伯父さん(>>149)からも電話があってね……」
そして直に駆けつけ、祖父と祖母を、我が家のワゴン車に乗せ、逃げたのだと言う。
その途中、とてつもなく巨大な黒いモヤの塊を見つけ、その塊がオレの家の前に止まったのを確認。
祖父と祖母、従兄で、念仏を唱えていたそうだ。
従兄「効果はなかったどころか、オレ君が横通り過ぎるの見逃したけどね……w」
S 子 は や っ ぱ り 凄 い 子 だ。
あの子は本当に大丈夫な霊なのかな?」
従兄に見えるS子は、黒いモヤモヤの塊がヒトガタになってるのだと言う。
そもそも、黒いモヤって言う時点で鳥肌が止まらないそうだ。
ちなみに、通り過ぎた時ほどの巨大な黒いモヤではなくなっているのだと言う。
オレ「……まあ、いい子だよ。すごく優しいこなんですよ」
従兄「憑りつかれておかしくなった?」
オレ「そう言う訳では……でも、本当です。責任は取ります」
従兄「また家がこういうことになるし、オレ君はさっきどういう状況だったか分からなかったの?」
そして、従兄は話し始めた。
個人的解釈だけど、異常なほどS子が見えた、久しぶりの再会時、あれがそう言うことだったのかもしれない。
俺のDTと変態と愛のパワーの可能性も捨てきれないけど。
次に、最初の木々が揺れた瞬間だ。
この時、従兄は危険だと判断し、ワゴン車の近くに居たらしい。
その時は、黒いモヤが周囲に広がり霧の様に立ち込めていたそうだ。
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