彼女の家でマッタリしていたら突然インターフォンが鳴った。 「ごめん、ちょっとベランダ出てて。」
俺 26 普通 おとなしいらしい
彼女 22 かわいいより美人系 背が高い 姐さん系性格
仕事関係(職場は違う)で出会い付き合って4ヶ月
彼女の家でマッタリしていたら突然インターフォンが鳴った。
彼女んちはオートロックの建物で、一回エントランス部分の
インターフォンとドア前のインターフォンで呼び出し音が違うんだが、
ドア前の方の音だった。
俺は「ん?」って感じで彼女見たら、彼女が青ざめてた。
「誰か来た?」って彼女に言ったところでもう一回インターフォンが鳴った。
音とかも一切出さないで、気配殺してて」みたいなこと言われて
背中を押されて外に出される俺。ベランダの鍵をしめられ、遮光カーテンをひかれた。
この瞬間三度目のインターフォンが鳴った。
この時は、遠くに住んでるご家族でも急に来たんだろうかとか思ってドキドキしてた。
室外機の横にしゃがんでると、玄関のドアがあけられる気配があった。
やっぱり誰か来たんだ…と思って聞き耳を立てるが何も聞こえない。
カーテンには隙間とかなくて何も見えない。じっとり汗をかきだした。
すると、すすり泣きのような声が聞こえてきた。
かなり気になった。室外機と逆側のサッシの方に移動する。
ここで気づいたのだが、かなり無理すればギリギリ部屋の中が
見えそうなくらいのカーテンの隙間がこちら側にはあった。
床に座り込む彼女が見えた。
その前に、こちらに背を向けて立っている華奢な女が見えた。キャバ嬢っぽい
髪色でドレス?みたいなものを着ていた。
男じゃなかったことに安心した次の瞬間ある事に気づいて腰抜かしそうになった。
こちらに背を向けた女の左手はだらんと身体の横に垂らされているのだが、
その左手首から下が真っ赤だった。しかも指先からラグにポタポタと滴り落ちている
赤い液体。血だとわかっても、彼女の部屋で棒立ちの女が手首から流血
しているという異常事態「えっ?え?何?」と軽くパニック状態に。
かなり大きめのカッターが握られていた。刃が出されて、先が血で汚れた状態で。
ここで「彼女を助けなければ」という気持ちでかなり強く
サッシを叩いた。その女が振り返ると同時に、彼女が這いつくばった
ままベランダの方に来て鍵をあけた。
部屋に入ると、彼女は「ごめんなさい、ごめんなさい」と号泣している。
彼女を背中にかばって、超ビビリながらその女を見た。
女はそのまま立ってこっちを見ている。アゲハ系のメイクをしていて
どう見ても10代に見えた。カッターは握り締められたままだ。
女はなにかを呟いていた。「そういうこと」「うそつき」とか聞こえて、
カッターの刃をチキチキチキ…と出したり引っ込めたりしながら
真正面から見て、ああこの人はいかれてるんだなって思った。
焦点あってないし、なんかちょっと笑ってるし、マジでホラーだった。
「けっ警察呼びますよ」
情けないけどこれがやっと言えた言葉だった。
女は聞こえてるのか、案外あっさりカッターを捨てた。
捨てたっていうかテーブルの上に投げ出して、俺はそれを女からできるだけ
離さなければと思い、柄の部分を掴んで開けっ放しになってたベランダに
投げた。女はそれをブツブツ言いながら見てるだけだった。
今度は座りこんで何やらつぶやきながら左腕を掻きむしり始める女。
グチャグチャと音がして部屋の中が血の匂いで充満して、
そういうの心底苦手な俺は吐きそうになりながらもどうにか耐えた。
俺は彼女をかばったまま警察を呼んで、10分くらい後で警察到着。
その間、彼女は泣きすぎで過呼吸?みたいになってた。
誰?とかなんでこんなことに?とか聞いてもパニクってて会話にならない。
女は相変わらず小声で何かつぶやき続けている。
「幸せになろうねって言ったのに」「最低」「許さない」
「売女」「不潔」「死ね」「うそつき」「汚い」みたいな
言葉が聞こえてきて、とりあえず危害を加えられたくなかったので
ワンルームのできるだけ離れたところに彼女をひきずって警察を待った。
まずその女が言うことに耳を貸さない。立てない様子(貧血?)で
救急車まで呼ばれた。俺と彼女はパトカーにのせられた。
その間も彼女はごめんなさいごめんなさいと泣きじゃくっていた。
なんか、警察の人と彼女と3人で狭い部屋に入り
事情を聞くことに。彼女もその時にはだいぶ落ち着いて話せるようになった。
まず、彼女は誰なのか
→自分も素性まではよく知らないが、元女友達だ、名前は◯◯(以後A)だ
→バーで話しかけられて、年齢も近かったので友達になった。
それが半年ほど前で、メールアドレスを交換した。
ちなみにAは風呂嬢だと自分で言っていた、19歳だ。
彼女自身は妹ができたような気持ちで友達として付き合っていた。
買い物に行ったり、泊まりに来たりしていた。(それで家を知ったらしい)
なぜそれがあんなことになるのか
→
・俺と付き合いだしたことを報告すると、急に彼女に告白をしたらしい。Aはビアンだった。
・その時に、Aがそういう目で自分を見ていることを初めて知り、そういうつもりじゃなかったと断った。
・着信拒否、受信拒否しても「会いたい」などの連絡がやまない
・無視しているとだんだん連絡の内容が電波気味になってきた
(前世の絆に結ばれているとか、行ってもいないデートの感想を述べられたりとか)
・一度会って、はっきりと辞めてほしい、これ以上エスカレートするなら警察に行くと伝える
・Aは自分を鬱病だと言い、警察にいかれたりしたら自殺するなどと泣きながら言った。
・彼女は同情して警察にはいかないけどとにかくやめて欲しいと伝え、Aは同意した。
・その後一ヶ月ほど連絡はやんだが、一昨日になって脅しのようなメールが届く。
(邪魔モノはいなくなればいいのよね…みたいな)
・今日も玄関先で帰ってほしいと言うと、入れなければここで死ぬと言われ部屋に入れてしまった。
電波なことをずっと言われて、とにかく帰って欲しいと言うとバッグからカッターを出して
「私はいらないんだ…」などと言いながら急に手首を切り出した。→俺乱入の流れ。
ということだそうだ。どうして言ってくれなかったのかと責めはしなかったけど、
そんなに頼りなかったかなぁと若干凹んだ。俺が忙しかったから気を使わせたのかも。
結局被害届?を彼女は出さず、Aは両親につれ帰られた。
A両親は意外にもまともな感じだったよ。
・Aをこれ以降俺たちに近づかせないように見ておくこと
・Aをきちんと治療させること
・家のクリーニングの費用をもってもらうこと
をお願いしたら、請求したのよりだいぶ多い金額が振り込まれた。
彼女はしばらくショック状態だったけど、今はだいぶ落ち着いたよ。
引越し完了したので友人に薦められて書いてみました。
長々すみません。支援ありがとうございました。
乙
ホラーかと思うほど怖かったわ・・・
両親がまともでよかった・・・
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