カジノバーでバイトをしている女の子と仲良くなったら修羅場に巻き込まれた。
ことの起こりは6年前、話の中では約2年半が経過しています。
私子 当時21歳。大学3年生。普通の女。一人暮らし。
Y美 背が小さくて可愛い。当時18歳。高校中退後、無職。実家暮らし。
T谷 Y美の彼氏。24歳。カジノバーのフロアマネ。
ビル アメリカ人。54歳、会社社長、金持ち。
A子 26歳、会社員。
B男 32歳、A子の彼氏。小さい鉄工所のドラ息子。
私子はとあるコミュニケーションサイトにハマり、そのオフ会でY美と知り合いました。
春でした。
女の子同士とかそういう気は無いのですが、Y美は初対面から人懐こくて可愛らしく「妹がいたら
こんな感じなのかな」と私子は思い、急速に親しくなっていきました。
Y美は母子家庭で母親と仲が悪く、一人暮らしをしたいとよく言っていました。
知り合って3ヶ月程した頃、Y美は「お金を貯めたい」と喫茶店(後に聞いたらカジノバーだった)でバイトを始めました。
たまに愚痴はこぼすものの順調にいっているようで、働きだして5ヶ月ぐらいでY美は部屋を借りました。
家賃は9万2000円の2LDKで、私子はY美の稼ぎが心配でしたが、彼女は
「月30は稼いでる」と言い、当時かなりな世間知らずだった私子は
「そんなものなのかなあ」と納得していたのでした。
秋、Y美は同じ店の上司・T谷と同棲を始めました。
Y美の部屋の方が広く、職場に近いという理由で、T谷が越してくる形でした。
T谷はY美の仕事を辞めさせ、プライベートでは「家ではミニスカ、外ではダサい格好をしてろ」と言うような嫉妬深い男で、Y美もストレスが溜まっていったようでした。
冬になり、Y美はあまりの束縛に耐えられず部屋を飛び出し、私を含めた友人宅を転々としていました。
T谷は店を辞めてストーカー化し、警察の介入やら何やらでやっと事なきを得、Y美は実家に戻っておとなしく暮らしていました。
翌年の春、Y美は外国人が集まるバーに出入りするようになり、適当に遊んでいるようでした。
当時Y美は猫を飼っていたのですが、服についていた猫毛がきっかけとなり、54歳の葬儀関連会社の社長・ビルと知り合いました。
ビルは5階建ての自社ビルの最上階を住居にしており、日本人の妻と別れたバツイチのアメリカ人でした。
経緯は電話でしか聞いていませんので詳しいことは分かりませんが、知り合って2週間かそこらでY美はビルの家に転がり込みました。
Y美「違うよ、ビルは猫を2匹飼ってるからそのお世話と、たまに掃除なんかもしてるけど」
私子「お金は発生してないわけ?」
Y美「そうだよ。買い物に行く時は必要な分だけお金貰って、家政婦みたいなもん。
ビルはもうお爺ちゃんだし、体の関係は無いの。私は実家に居たくないから、
ただで住ませてもらう代わりに家政婦してるだけ」
その他にも携帯代や服飾費なども出してもらっていましたが、当時は私子も忙しく、特に追及はしませんでした。
ぼんやりと「そういう関係もあるのかな」と思っていた程度です。
秋に就職が決まって暇になった私子が久しぶりにY美の携帯に電話すると、留守電でした。
それから三週間ずっと留守電で、心配していると連絡があり、「別れた父方の実家で不幸があって、しばらく滞在していた」とのことでした。
それからしばらくはお互いが暇な時に会ったり、ビルに紹介されたりといった付き合いが続きました。
ビルは毎年クリスマスに社員や友人を招いてパーティーをしており、そこに私子も招かれました。
Y美の友人は私子、Y美が居酒屋で意気投合したというA子とB男のカップルでした。
そのパーティーでは、ビルは私達ゲストには優しく紳士的でしたが、Y美に対しては
少し冷たく、Y美も面倒臭そうに返事をするような、変な雰囲気でした。
パーティーが終わり、私子はA子達と居酒屋へ。
飲んでいる内にY美の話になり、A子が「よかった。Y美にも私子ちゃんみたいなマトモな友達がいて…」と言い出しました。
私子「マトモってwたしかにY美はちょっと危なっかしい子だけど、いい子じゃない?」
A子「うーん、まあ…ね。でも、ビルとは別れた方がいいと思う」
私子「あー…内情知らない人から見たら、どう見たって愛人だしねえ」
A子「内情って…まるっきり愛人だよ」
私子「へっ…?」
A子の話は、私子がY美から聞いていた話とは全く違いました。
Y美とビルは普通に肉体関係がある。
月々のお小遣いとして10万円。
それにプラスして、実は未だに解約していなかった9万2000円の部屋の家賃と光熱費をビルが払い続けている。
今日、ビルとY美の雰囲気がおかしかったのは、Y美の賃上げ(?)要求をビルが拒否し、
腹いせにY美が家出をして、元カレ(T谷)と会っていたことが発覚したから…
などなど、私子には青天の霹靂でした。
私子は夜中にタクシーを飛ばしてT谷との仲裁に出かけたことも何度もあるし、
通報を躊躇するY美に代わって警察の方と話をしたり、それなりに尽力したつもりでした。
本当に妹のように思っていたのです。
Y美が今の状態を正直に話してくれず、知り合ったばかりのA子達に喋っていたことも私子にはショックでした。
A子「ひょっとして知らなかったの?」
私子「うん…結構ショックだね」
A子「私子ちゃんと仲がいいからこそ、話せなかったんじゃないかな。
私子ちゃんはこういうの嫌いそうだし」
私子「話したくなかったのならそれでいいけど、嘘つかれてたのが嫌なんだよ」
その日はしこたま飲み、私子はそのままA子宅に泊まりました。
私子から連絡することはなくなり、疎遠になっていきました。
A子曰く、間もなくY美はビルに追い出され、実家に戻ったとのことでした。
A子達と遊ぶようになって1ヶ月ぐらいが経った頃、私子はB男に呼び出されました。
「Y美のことで話がある」と言われた私子はてっきりA子も一緒だと思い
待ち合わせ場所に行きましたが、そこに居たのはB男だけでした。
時間が早かったので喫茶店に入り、とりとめなく世間話をしました。
あまりにもダラダラと話が続くのでウザくなり、私子が切り出しました。
「ところで、Y美の話じゃなかったの?」
B男は何となくもじもじしつつ「それは口実」と言いました。
私子「は?」
B男「そう言わないと来てくれなかったでしょ?」
私子「え、え、どういうこと?」
B男「俺さあ、私子ちゃんが好きみたい」
私子「はあっ!?あなたはA子さんの彼氏でしょうに…」
B男「A子とは別れるよ。俺と付き合ってよ」
その時の私子の心情としては、リアルに「何ぞこれ、気持ち悪っ」状態でした。
「いやいやいや、ちょっと待って。おかしいよ」
A子さんは自分の仕事が終わってからB男の実家の工場を手伝い、B男両親とも
仲が良く、結婚は秒読みではないかと私子ですら思っていたのです。
「いや、ごめん、B男さんのことを全くそういう目で見たことないし、一応彼氏いるし、A子さんと友達になりかけだし、それは無理。絶対無理」
B男「なんで?内緒にしとけばいいじゃない」
私子「うへぁ…すみません、恋愛対象として考えてみても、タイプじゃありません」
私子は自分のコーヒー代を置いて喫茶店を出て、脱兎のごとく自転車で逃げました。
その後何度かA子からもB男からも(結局別れてないw)お誘いがありましたが、実際に卒論や就職の準備で忙しく、断り続けていました。
夏になり、A子からの電話でB男と別れたと聞きました。
その時初めて、私はB男に口説かれたことをA子に打ち明けました。
A子は「やっぱりね」と言いました。
B男は結構な鬼畜野郎で、少し前からA子に「もう1人女を呼んで3Pがしたい」だのと戯言をほざいておったそうです。
デキ婚をした、と。
相手は私の知らない人でした。
そして妊娠中に別居、婚姻期間僅か5ヶ月でシングルマザーになった後、音信は完全に途絶えてしまいました。
Y美に対して思う所はいろいろありますが、今となってはニュースでその顔や名前を見なければいいなと願うばかりです。
A子とは付き合いが続いています。
お互いに「いい男いないねー」などと言いつつも、割りと幸せに日々を過ごしています。
(余談)
後で知ったことですが、T谷との破局後にY美が私子の部屋に少し
同居していた頃、私子の彼氏・N田(27歳の会社員)とY美は何度か二人で会っていたようです。
別れる時にN田を問い詰めますと「キスはした」と…
その頃には私子はN田への気持ちも無くなっていたので、冷静に話が出来ました。
ひょっとしたらキス以上のこともしたかもなあ、とは思いましたが、どちらとももう
関わり合いになりたくない気持ちの方がが強かったので、そのまま別れました。
時期は大学卒業後の春休み、N田が口を滑らせて発覚しました。
修羅場らしき修羅場もなく、終わりです。
すみません。
ご支援ありがとうございました。
あなたとかA子さんにも幸せは来るよ
いろんな人間がいるもんだなぁ
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