10数年前の1月上旬、俺たちは田舎発県庁所在地行きの旅行に出かけた
バカガキ俺(小5)は、はじめて来た都会に心躍らせていた
駅内で人がたくさんいることに興奮し、あたりをきょろきょろと見回す俺
落ち着きのない俺を叱りながらも、しっかりと手を引っ張り駅内を進む父親
すると後方にいた母親が声を上げた
手をつないで歩いていたはずの弟(小2)を人混みに揉まれた際に見失ったという
両親大慌てで弟を探すも見当たらない
弟も泣くとか声を出せばいいものを、呼びかけても反応がない
すると父親の携帯電話に着信があり、発信元はなんと弟だった