かくれんぼをしていたら末弟が行方不明になった。
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小学生の頃、近所に仲のいい同級生がいた
自分は4人兄弟の一番上の長女で同級生は2人兄弟の長男
自分達だけでなく下の兄弟の年齢が一緒だったこともあって休みの度に5人で外で遊んでいた
何故6人ではなく5人かというと実はこの時一番下の妹はまだ産まれたばかりだったのだ
高学年の自分と同級生が遊びを考えて低学年の長男と同級生妹は、更に下の当時4歳だった末弟を年上ぶって可愛がり、子供だけで毎日楽しく遊べていた
ある夏の暑い日
その日母親は下の妹を連れて病院へ出掛けていった。恐らく検診か何かだったんじゃないかなと思う
当時自分達の間では隠れんぼが流行っていて、植え込みや遊具があって広すぎず狭すぎずなその公園はうってつけの場所だった
その内石を投げて撹乱したり木の中に隠れたり高度な読み合いがされるようになって皆遊びに熱中するように
いつもは必ず誰かが末弟に気を配っていたんだけど、隠れんぼという遊びの性質もあってか他人にあまり注目していなかったと思う
ここまで書いてもう分かっている人もいるかもしれないが、この日末弟がいなくなった
いつ消えたのか誰も気がつかなくて皆自分以外の誰かが末弟についてるものばかりだと思っていた
公園内を探してみてもまだ隠れているということもない
公園は住宅街のど真ん中にあったがジジババばかりが住む地域で人通りが多いというわけでもなく、フラッと連れていかれたら目撃者は誰もいない
慌てて辺りを手分けして探すが見つからない
4歳児がそう遠くまで歩ける訳もなく、家の鍵も自分が持っているので自宅の中に入れるわけもない
その内皆走り回って汗だくになってきた
なにせこの日は30度超の夏真っ盛り、元気な小学生でもこれだけ外に居れば流石に暑い
低学年組も心配だったがもっと小さい弟が脱水になっていないかと内心すごく焦っていた
すると末弟、見つかりましたよorz
なんと向かいの老夫婦の家でスイカ食ってた…
向かいの家の玄関が開いてて、のれんの向こうに見えるキッチンで半月型の大きなスイカをまるかぶり
涼しい家の中で塩と麦茶まで出してもらって扇風機に当たりながらニコニコの老夫婦におもてなしされてた
びっくりして末弟の名前を呼ぶとこちらに気が付く老夫婦
私達にもスイカを勧めてくれて、最初は遠慮してたけど同級生がノリノリだったのと低学年組の目が輝いていたので結局5人でごちそうになった
食べながら話を聞くにどうも末弟は隠れんぼの最中にやはり喉が渇いてしまってお茶を飲もうと誰にも言わず一人で家に戻ったらしい
が、家には鍵がかかっていて誰もいないし中にも入れない
玄関の前で途方に暮れている姿を普段から挨拶していたり地域の学校行事で自分達と交流のあった向かいの老夫婦が発見し、家に招き入れてくれたというわけだった
ちなみに捜索している最中も皆何度も家の前を通ったが、おそらくその時は向かいの家の玄関が閉まっていて分からなかったんだと思う
5人で美味しくスイカを食べてお礼を言ってその日は室内で遊ぶことにした
以上が当時小学生の、また長女としての自分にとっての修羅場でした
改めて見ると本当に長文だったごめんね
しかもよくある話だし
短すぎるのも論外だけど、末が赤ちゃんとか別にどうでもよい情報が多すぎ
末弟を探しながら汗をかきながら焦ってる様子も感じ取れた。
晩夏にいい内容だったな。
情景が目に浮かんで楽しめたよ
引用元: ・今までにあった修羅場を語れ 30話目
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